このプロジェクトでは、カリフォルニア州の海辺の街・サンタクルーズで見つけたモノたちに宿る「記憶」をテーマに、ポストカードのような形式で表現しました。2Dの手描きテクスチャと3Dモデリングを組み合わせることで、「温もり」や「手仕事の美しさ」を感じられるビジュアルを目指しました。
特にカードという小さなフォーマットの中で、記憶や感情をどう届けるか——それは、まるで粘土をこねて模様を描くような、静かで丁寧な作業でした。3Dソフトで形をつくり、手描きで色を重ねる工程は、記憶をそっと再構築し、再解釈するような感覚。「リアル」と「想像」のあいだに揺らぐ空間で、自分の心にある記憶をかたちにする、新しい表現方法となりました。
このようにして、私は記憶のかけらを「カード」という身近なかたちに閉じ込め、人々の日常にそっと寄り添うアートとして届けることを目指しています。
#Blender #Procreate
My Process
ステップ1|オブジェクトを選ぶこと
このステップでは、「記憶が宿るモノ」を選びました。思い出の詰まったモノは、その瞬間や気持ちの象徴になると信じています。たとえば、今回の作品で表現したのは、雨粒模様のウォーターボトルです。これは、ある雨の日に友達とふらっと立ち寄ったお店で買ったもの。その日、私たちは雨の中をハイウェイでドライブして、ただおしゃべりしたり、笑ったりしながら旅を楽しみました。私はその記憶を、ボトルの中に閉じ込めるように表現したいと思いました。

ステップ2|3D modeling
あと、3Dモデリングも行います。モデリング(形状の作成)に加えて、2Dドローイングを使ったテクスチャリングや、ライティングも含まれます。
ステップ3|Post-card design
ポストカードに“使える機能”を持たせたくて、カレンダー仕様にしてみました。 表はレンダリングアート、裏にはカレンダーと、作品にちなんだイラストも入れています。
以下はデザインの一例です。
以下、12か月分のポストカード一覧です。
ステップ4|Print
印刷の都合で、RGBからHSVに変換してちょこっと調整しました。
こちらが完成版のプリントです!
ボトルに雨を閉じ込めて、
ピザと笑い声で満たされた車内、
海沿いの道、
あたたかいコーヒーと溶けかけのアイス、
そして、スーパーで選んだ花束。
それは、忘れたくない記憶のアーカイブです。

This is a period of memory filled with collecting raindrops in bottles, eating pizza in the car with friends, walking along ocean shores, drinking coffee, eating ice cream on the streets, and buying flowers from supermarkets. A true archive of memories.

You may also like

Back to Top